Reading Session: 無題のリクエスト
「タロット占いできるって？
ちょっと占ってほしいんだけど」
仕事以外の話をしたことがない上司が、
会社の新年会で時間を欲しいと話しかけてきました。
占いに頼りたいな、と思った時、
「いやな結果が出たらどうしよう」
「対面で難しい表情されたり、
怖い絵柄のカードが出たりしたら、怖いんだよな」
そんな理由で二の足、三の足を踏んでいる人、
いませんか。
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「占：女性側のカード」
恋愛運、とだけ、
その上司KEIさんは言いました。
「ケルト十字とかするの？」
「恋愛運にケルト十字はちょっと、
近い過去とか、いらないですよね。
お二人の未来に向けての、
アドバイスが欲しいんですよね。」と私。
わたしは、
お相手がいるのなら、
本人さん側に数枚、
お相手側に数枚、
ピックアップして突合させると、
カードたちが話していることを
言語化できる気がして、
3枚、まず相談者側のカードを出しました。
恋人正位置、
極端ですが、選択の時って、
めちゃくちゃいい時か、
どん底に悪い時に出ること、多いのです。
KEIさんは、彼との友達と関係を維持するままでいいのか、
きちんと告白してつきあう話に持っていくか、
その一歩が踏み出せないようです。
仕事も忙しい二人ですし、
決していつもご機嫌よろしい時に会えるとは、
限らないことも、
(大人だなあ)
KEIさんはよくわかっているのです。
つるされた男、
我慢していることがある。
本人の言う恋愛運の分野で、
相手に対する我慢？周囲に対する我慢？
耐えるものはたくさんあります。
直観ですが、
KEIさんは、
相手の方の抱えている問題に気がついているから、
彼が好きだからこそ、
恋愛に発展してよいものか、
発展できるのか、行き詰っているようですね。
ワンド(魔法の杖）のクイーン
行動派の彼女を示すカード。
彼女はまず「何でもやってみる」性格。
「誰かに占ってもらう」未来なんて、
普段は考えることもない人のようです。
それが、今回のタロット占いなので、
「何でも挑戦する」いつもながら、
仕事だけでなく人生のいろいろにも、
私は心から尊敬できる上司だなあと、
カードたちを見て思うわけです。
「占：男性側のカード」
ペンタクル(金貨)のキングは、
お相手のこと。
「KEIさん、確認していいですか。
相手さんは年上、
もしくは職場で、
えらいポジションについている人？ 」
「え、そんなことまでわかるン」
「でも彼、なんだか疲れてますね。
人に、疲れている」
と私が言うと、KEIさんは、
それまで冗談めいた顔をしていたのを、
真剣モードに変えました。
その時の私の目に映る、
金貨とキングの関係は、
安定した仕事や環境があっても、
一人寂しく生きている王様の姿。
「足りないものは、
過去になくしたものかもしれない、
カードが話していますけど、
何かご存知じゃないですか、KEIさん」
KEIさん、もの言いたげに口を開いたけれど、
どこまで話していいのか迷っています。
そこで沈黙の時間。
「彼がなくしたものって、
それでかなり本人がさみしいと、
思うものって、何なんでしょうか」
再度、私は聞いてみます。
二人の関係を発展させる要素があるからこそ、
カードが語りかけてくるので。
すでにその隣で、
話しかけてくるカードがいるのですが。
KEIさんが沈黙しているので、 次、行ってみよう。
剣の5、
カードの中の男は語ります。
「これ以上の戦いはしたくないので、
仲間からも敵からも、
剣を取り上げてしまった」
強気のキングなのに、
誰かと戦って、疲れ果てたのです。
恋愛運でいうと、
前に戦った誰か、って、
元の彼女？
「そうなのよ。
私はおつきあいしたいと思っているし、
向こうも私といたら楽しい、
笑っていられると、
言ってくれるんだけれど。
どうやら前の彼女に、
会社の得意先の人と、
フタマタかけられたそうで。
裏切られたって、話してくれた。
今は、ツーリング仲間というか、
大勢の男友達も一緒に、
私たちのバイクのサークルに
参加してくれるんだけど……」
そこまで話せる仲間なのですね～
「アドバイスカード」
恋愛は、仕事のようにうまくいかないので、
彼女は焦っていたのかもしれないですね。
ワンド(魔法の杖)の６は、
正位置だと、
適切な時にふさわしい勝利の吉報が届く。
今回は逆位置です。
カードたちのアドバイスは、
『焦るな、
面倒がらずにじっくり時間をかけて、
共通のものを共有すること。
あきらめなければ、必ず吉となる』
お互い仕事でなかなか時間がとれなかったら、
お互いが都合の良い時を連絡しあって、
一緒にいる時間を増やすこと。
もっとたくさん話すこと。
根気強く仲間同士の交流の中にいれば、
周囲の助けがもらえるようです。
つるされて自分から犠牲にならなくても、
道は開けます。
カードがそう話すのだから、
そのまま伝えるのが私の役目。
彼の人間不信のようなものに、
寄り添うには、
一緒にいる楽しい時間という「くすり」
心の傷は新しい「愛情」で上書き。
この数年後、
二人は今、婚約しているそうです。
いいお手伝いが出来て、
よかったよかった。
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